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仕事の備忘録 「ギレン暗殺計画」「光芒のア・バオア・クー」 [オシゴト]

おかげさまで ArkPerformanceが連載を続けている「蒼き鋼のアルペジオ」と「機動戦ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還」が共に10巻を越え、長期連載作品となりました。
さらに「蒼き鋼のアルペジオ」のアニメ化プロジェクトも劇場版が公開となり一段落しました。
なので、この機会にいろいろ過去の事を忘れない内にメモっておこうと思い、このページを立ち上げました。
時間が有る時、何か思い出した時にでも加筆、修正して行きます。
長くなったら分割したりするかもしれません...長くならないかもしれないですが。

以下、留意していただきたい事項。
※これはあくまで私(弐号)の記憶を頼りに書いています。記憶違いが判明したらその都度修正します。
※物の見方もあくまで私(弐号)の価値観に準じています。ArkPerformanceの総意ではありませんし、関係者全員の意見でもありません。当然、違う心象や印象を持っている方々もいらっしゃるでしょう。
※記載は時系列順ではありません。
※この記事に関しては、備忘録であるためコメントは受け付けていません。
※転載は内容が内容なので原則禁止です。



「機動戦ガンダム ギレン暗殺計画」
・「ガンダムエース」編集部と関係を持ったのはピンナップの依頼が在ったため。正確な号数は忘れたけど「何を描いても良い」と言われたので、ドズル専用ザクを描かせていただいた。
・なぜ「ドズル専用ザク」を選択したかと言うと、多分どなたも描かない機体だろうし、ケレンミが在って好きだったので壱号と相談の上決定。正直、憧れであったガンダムの仕事はこれが最初で最後だろうと思っていた。なので思い出作りにちょっと何かを残そうと思い、トゲを水増しして描いた。怒られるかと思ったけど、そのまま監修通過。無事掲載。
 ※このピンナップの依頼より以前に「エールストライクガンダム」の設定を見せていただきながら「これ、新しいガンダムなのだけどコミカライズやらない?やるなら版権取ってくるけど」と当時の担当氏より誘われた事がありました。やっていたら我々のガンダム人生はどう変わっただろうかと、未だにふと考える事があります。
・ピンナップを入稿した流れで、当時のガンダムエース副編集長 Mさんから「ガンダムやらない?」と軽く誘われ、ガンダムエースは参入するのが非常に難しいと聞いていたので、冗談だと思い最初は半信半疑だった。
・Mさんと知り合ったきっかけは「シェリフスターズ」を描かせていただいた際にニュータイプ誌で取材をしていただいた時。その後特撮エースでピンナップを依頼されて本格的に再会。後にガメラを描く事に。
・何度か誘われたものの、尚も半信半疑で打ち合わせに出かける。この時、現在の編集担当である財前さんと出会う。
・財前さんからの最初の言葉は「ギレン殺しませんか?」。普通に「いや、ギレン死なんでしょ」と答えた。
・当時、財前さんからは「ギレン暗殺を狙い潜入した連邦軍の特殊部隊が、暗殺に失敗して全滅しちゃう話」を提案されたと記憶している。
・三回目の打ち合わせから、今も監修をしていただいているサンライズの O氏を交え打ち合わせ。
・ArkPerformance内で打ち合わせを重ねる内に、我々が MSを描きこなせるのかとの疑問が出て来たので、演出面と絵作りのノウハウを蓄積するためにテスト用のネームを切った。
・テストネームの内容はランス・ガーフィールドと言うジオンのパイロットが、ひたすら連邦の MSと戦うだけと言うもの。
・我々にとって初のガンダム作品と言うだけあって市場リサーチをそれなりに開始。結果がカオス過ぎて途方にくれる。この時、以前数学の師がとある事態への比喩として「これでは最大公倍数的だ」と言っていたのを思い出した。最大公倍数とは無限大に存在する調べても意味が無い数字と言う比喩で、師は良くこの比喩をどうしようも分析出来ない研究結果が出た時に皮肉として使っていた。まさにそんな感じだった。
・とりあえずリサーチしたデータと関係者の方々からの助言もあり、読んでいただく読者層をファーストガンダム世代の男性と想定する事にした。具体的な数字としては掲載当時に30代後半から40代以上。この層の反響を重視する事に決めた。なので、それ以外の方々に読んでいただけるのならボーナスだと思った。
・いわゆる雑誌アンケートの内容としては、掲載号全号のアンケートに目を通したわけではないが、全体として20代以下からは無反響、女性からはほぼ全年齢で無反響、30代辺りから少し反響をいただいた。40代以上からは大きな反響で40代以上のデータのみで言えば、後半ではオリジンに肉薄していたので非常に嬉しかった。
・当初、「月刊ガンダムエース」の別冊で季刊発行されていた物に連載開始。
・担当氏から聞いた話によると、某有名小説家 F先生が当時の編集長某ガルシア氏に「これは本誌に載せなければいけない作品だ」とプッシュいただいたそうで、そんな事もあり、確か3話目ぐらいから本誌移行が決定された。
・エンディングは5案用意していた。最終的に採用したのは4案目。一番無難なエンディング。
・当初、エンディングの最後の最後でシャアがサザビーに乗って登場する案があり、実際ネームも切った。これはその時、既に次作がUC.0090年代の物であると内定していたために、次作で何とかシャアに繋げるべくその前振りがしたいと言う助平根性が出たため。熟考の末、いろいろ時期尚早だし、担当氏からも難色が出たのでこの案は引っ込め、白いギラ・ドーガのシーンに差し替える。
・白いギラ・ドーガのパイロット達が元首都防衛大隊の者達なのか否かは、ロマンとして読者諸氏のご判断に任せる事にした。
・MSが全く出ない構成も用意していたが、打ち合わせを重ねた結果、さすがにそれは冒険的過ぎると言う事で用意していたグフカスvsガルバルディ戦を差し込んだ。理由の大きな1つとして、MS戦のシーンを投入しないと事件の主要人物であるランス・ガーフィールドが突然死亡する運びになるため。その経緯は具体的に描いておかねばらないと結論した。正直、一番大胆だったエンディング案で描けば良かったかも、と言う迷いは未だにある。
・親衛隊のドムが劇中では地上戦しかしないのに「リック」ドムになった理由は2つ。監修の O氏から時系列的に考えてこの時期、ドムは地球に存在する機体以外はそのほとんどがリックドムに改修されているであろうと言う提示がなされたと言う点が1つと、フィーリウス一党は戦術的に戦線が拡大した場合の空間戦をも考えていただろうと言う想定にしたため。
・ランスの乗機をグフカスタムとした理由は主に3つ。
1. 既にテストとして切ったネームの舞台がオデッサ戦で、その時に彼が乗っていた乗機がグフだった
2. 版元から提示された作品で使用可能なMSのリストの中に有った機体では、近接戦闘に特化出来そうな機体がコイツぐらいだった
3. ランスは当初から戦死の予定だったので、やはり格好良く死ぬ漢の機体はこれかな、と思った
・1巻を編集する際、カバーデザインをどうするのかで揉めに揉めた。MSが全く出ない、サスペンス調のガンダムをどう売り出したら良いのか皆目見当もつかなかったため。様々な人々が言いたい事を言いまくり二転三転四転五転、何度も描き直しをさせられる。最終的にキレ気味になった私が関係者全員を角川書店ロビーに呼びつけ会議をすると言う事に。
・最終決定はそのロビーにフラッと現れた角川書店の井上さんが「これ良いですね」と拾い上げた案で決まる。皆で井上さんが決めたのだから、何か在ったら井上さんのせいにしてしまおうと言う事で落ち着いた。
・1巻の中扉に収録されているギレン総帥のカラー画稿は、我々がカバー案として出した物の1つ。
・1巻発売時は売れるのか全く分からなかったので、すぐに重版がかかった時はホッとした。
・5巻構成で終了と言う話もあったが、関係諸氏が我々を早くMSV-Rに合流させたかったらしく4巻終了と言う事で落ち着く。
・ランス・ガーフィールドの謎を残したのは、思いの外作品の評判が良かったので、後に読み切りなどを描こうと言う案があったため。結局関係者全員、我々も含めて MSV-Rに忙殺される事になり企画を忘れちゃう事に。
・個人的には歌劇場のシーンが描きたくて始めた作品。
・劇中に出て来る「ペズン計画」のワッペンは、ガルバルディの頭部を意匠にしたが、他の機体頭部を意匠にしたワッペンが存在すると言う設定。各機体の開発チーム毎に存在している。しかしこれはサンライズの承認を得ていないので ArkPerformance内設定。
・フィーリウスはガルマの母方の従兄弟と言う設定を作っているが、劇中未記載。サンライズの承認を得ていないのでこれも ArkPerformance内設定。
・ランス・ガーフィールドが片腕を失ったストーリーのネームは本作連載前に既に切ってある。
・ストーリーラインの元ネタだが、二・二六事件を中軸に、ネタバレしないようヒトラー暗殺未遂事件(ワルキューレ計画)で包装した。
・劇中にてサイド3内に在るおもちゃ屋で、レオが注文した商品は製品化されていない物と言う設定。なのでそれを注文する人間は組織の関係者と言う事になる。コロニー攻撃においてガス投擲を行い、住民を毒ガスにて大量虐殺したMS-05は、ジオン公国政府からすれば国内に対して公にしたくはない機体ではないかと考え、そのために商品化は許可されず流通していないと言う事にした。流通していない物を注文してきた客が現れたら店員(組織のメンバー)は上階の倉庫へ移動し組織と連絡。関係者である事を確認して接触するか否かを決めると言う流れ。




「機動戦ガンダム 光芒のア・バオア・クー」
・季刊で発行されていた「ガンダムエース別冊」に掲載されていた「ギレン暗殺計画」が本誌へ移行したために、空いた掲載枠を埋める形で執筆を依頼される。
・内容は完全に任せていただけるとの事だったので、趣味と実験(私用)の場にしようとの小暗い思惑を秘め、構想にかかる。
・この作品でサンライズさんとの仕事の仕方を憶えて行った。どうすれば必要なキャラクターや MSの使用許可をいただけるのか等々...
・表題の「光芒のア・バオア・クー」を考えていただいたのは、監修の O氏。
・掲載中読者諸氏から編集部への反響は無し。全年齢、男女共にほぼ無し。単行本化はしないかもと思っていた。しかし「ギレン暗殺計画」の売り上げがそこそこ良かったために、ある種のご褒美で出してもらえる事に。
・担当氏とは「絶対売れないから、イベントとかでサインを入れたりして、手売りしよう」などと話し合い、ちょっとした悲壮な覚悟を持っていた。それまでは本当に反響無かった。
・初版部数はそもそも売上見込めなかったので規定の最低部数。希少品です。
・いざ刊行してみたらすぐに重版かかったので担当氏共々困惑した。
・このシリーズ内で語られるランス・ガーフィールドの設定は「ギレン暗殺計画」の物とは故意に少し違う物を使用した。「ギレン暗殺計画」の項目でも記載したがランス・ガーフィールドの謎で短編をやるかもしれない予定だったためにその前振りとして。短編の内容は証言テープを観た若い連邦の検察官が事実と証言との差違に気づき、ランスの地球脱出までの経緯を突き止めると言う、やっぱりミステリー調の内容でした。
・重版に気を良くした担当氏から「次、「砂塵のオデッサ」やりましょう、ガッハッハッ」と冗談とも本気ともつかない話が出ていた。結局、MSV-Rで忙しくなり忘却の彼方へ。
・ギレンの遺体の行方に関しては、ArkPerformanceとしての設定(結論)は在る。だけど言わぬが華と思っているので、皆さんのご想像で。
・この記事、書き始めたら意外に長いのでちょっと後悔している。

・06月02日ひっそりとテスト公開開始
・検索しづらいとの事だったので記事タイトル小変更 2016.06.26
・暗殺計画について内容少し追加 2016.06.26
・暗殺計画について内容少し追加 2016.09.30



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